
頭痛体操をご存知でしょうか。頭痛体操は、頭痛を改善するための方法のなかでも、一番簡単でお手軽にできるものです。驚くべきことに、頭痛体操を毎日2分間行うだけで効果が見込めます。
今回は、頭痛持ちの方が今すぐ始めるべきな頭痛体操のやり方をご紹介します。
頭痛体操は今すぐ取り組める手軽さから、頭痛持ちの方におすすめできる改善方法です。「忙しくて時間がとれない」「薬を飲むのは避けたい」と思う頭痛持ちの方に、ぜひ試していただきたい体操です。
頭痛とひとことで言ってもたくさんの種類があります。数ある頭痛のなかでも、頭痛体操で特に効果が見込めるのは、「緊張型頭痛」です。
緊張型頭痛の一番の原因となるのが、ストレスです。ストレスが心や身体に溜まることで、身体は固くなってしまいます。そして当然のことながら、首や肩・背中の筋肉も強張って緊張してしまいます。血行の悪くなった首や肩などの筋肉には乳酸が溜まってしまい、それが神経を刺激することで、緊張型頭痛が引き起こされるのです。
つまり、首や肩の筋肉をほぐして血行を良くすることができれば、緊張型頭痛は改善されます。頭痛体操の目的は、首や肩の筋肉をほぐすことなのです。
頭痛体操には、緊張型頭痛の原因となる肩こりや首のハリを根本的に改善し、予防する効果があります。
さらに、頭痛体操の「血行を整える」という効果は、片頭痛の予防にとっても良いと言われています。片頭痛の原因ははっきりと解明されていないものの、頭蓋内の血管の拡張が疑われています。血行を整えて過剰な血管の拡張・収縮を抑えることができれば、片頭痛の発作が起こる頻度も少なくなることでしょう。
緊張型頭痛を引き起こす原因となるのは、首や肩のコリだということをご説明しました。それでは、具体的にどの筋肉が固くなってしまうのでしょうか。緊張型頭痛の元となる筋肉の緊張は、以下の筋肉でみられます。
- 側頭筋:耳の上にある筋肉
- 後頸筋群:首の後ろにある複数の筋肉群
- 僧帽筋:後頭部から肩甲骨の下まで広く付着している筋肉
側頭筋は元々は咀嚼筋と言われ、ものを噛むための筋肉です(口を開けたり閉めたりすると動くのを触れます)。しかし、悪い姿勢が続いたり首の筋肉が緊張していたりすると、それにともなって強張ってしまいます。
後頸筋群や僧帽筋も悪い姿勢や背中などの周囲の筋肉の緊張に合わせて固くなります。頭の重さは約5㎏ありますが、猫背など悪い姿勢で頭の位置が肩より前方に出ると、後頸筋群や僧帽筋が頭を支えようと緊張します。
それでは、頭痛体操のやり方についてご説明していきます。頭痛体操はとてもシンプルなやり方で、効果的に全身の筋肉をほぐすことができます。
頭痛体操のやり方は、大きく3ステップに分けられます。
- まず足を肩幅に広げて、姿勢よく立ちます。
- 腕を胸の高さに上げます。この時、肩に力が入らないように気を付けます。
- 顔を正面に向けたまま、腕を大きく左右に振り、腕についていくイメージで上半身をねじります。
以上が頭痛体操のやり方の3ステップです。この後は、身体をゆっくり左右にねじる動作を2分ほど続けるだけです。思っていたよりも簡単だ、と感じた方も少なくないことでしょう。
頭痛体操を行う際に気を付けて欲しいのが、良い姿勢を保つことです。あごをしっかりと引き、頭の位置が肩より前方に出ないように意識しましょう。せっかくの頭痛体操も、姿勢が崩れると効果が減ってしまいます。
頭痛体操は、ゆっくり大きく行うことが大切です。ゆったりとした上半身のねじり動作が、肩や首の筋肉を始め、全身の筋肉をリラックスさせることに繋がります。
頭痛体操は、緊張型頭痛の改善だけでなく片頭痛の予防も期待できます。しかし、一つだけ気を付けていただきたいポイントがあります。
それは、片頭痛が出ている時は頭痛体操を控えることです。片頭痛の特徴として、動作で痛みが強くなるといったことが挙げられます。もし片頭痛持ちの予防方法として頭痛体操に取り組まれる場合は、片頭痛の症状が出ていないタイミングで行いましょう。